「乳がん」(乳癌)の手術件数の全国病院ランキングです。2017年の実績ベース。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。 1位は東京のがん研有明病院。2位は聖路加国際病院、3位は聖マリアンナ医科大学病院となっています。(リトリート編集部 大畑亮介)

手術件数ランキング(全国トップ30)~2017年実績

順位 病院名 手術数
1位 がん研有明病院
(東京)
1135
2位 聖路加国際病院
(東京)
884
3位 聖マリアンナ医科大学病院
(神奈川)
783
4位 国立がん研究センター中央病院
(東京)
723
5位 相良病院
(鹿児島)
640
6位 亀田総合病院
(千葉)
600
7位 市立広島市民病院
(広島)
556
8位 大阪ブレストクリニック
(大阪)
544
9位 昭和大学病院
(東京)
497
10位 順天堂大学順天堂医院
(東京)
493
11位 東北公済病院
(宮城)
478
12位 大阪国際がんセンター
(大阪)
459
13位 愛知県がんセンター中央病院
(愛知)
456
14位 埼玉県立がんセンター
(埼玉)
450
15位 埼玉医科大学国際医療センター
(埼玉)
449
16位 北九州市立医療センター
(福岡)
443
17位 都立駒込病院
(東京)
438
18位 札幌乳腺外科クリニック
(北海道)
430
19位 県立静岡がんセンター
(静岡)
424
20位 神奈川県立がんセンター
(神奈川)
410
21位 都立多摩総合医療センター
(東京)
407
22位 JCHO久留米総合病院
(福岡)
382
23位 国立がん研究センター東病院
(千葉)
375
24位 くまもと森都総合病院
(熊本)
370
25位 江戸川病院
(東京)
363
26位 静岡県立総合病院
(静岡)
358
27位 ブレストピア宮崎病院
(宮崎)
353
28位 (国)四国がんセンター
(愛媛)
346
29位 (国)北海道がんセンター
(北海道)
340
30位 加藤乳腺クリニック
(滋賀)
334

乳がんの治療

病気・症状

大人の女性の乳房には、小葉という乳汁を分泌する小さな腺房があり、小葉は乳管という管でつながっている。

乳がんの大部分はこの乳管から発生し、乳管がんと呼ばれる。乳管がんの7割は、外側にがん細胞がこぼれおちて(浸潤して)、全身に転移したりする浸潤性乳管がんが占める。

ほかに小葉から発生する小葉がんが約5~10%、特殊型といわれる乳がんが20種類ぐらいあるが、あまり多いものではない。

落覚症状として多いのは、乳房のしこり、乳頭からの分泌物、乳房の痛みなど。食生活を中心とする生活習慣の欧米化と、マンモグラフィ検診の普及で早期発見の機会が増えたことを背景に患者数は増加傾向にあり、この20年で約2.5倍にもなっている。

検査・治療

診断にあたっては触診、視診などの診察、乳房撮影(マンモグラフィ)と乳房超音波検査が行われるほか、乳房CT、乳房MRIが行われることもある。

ただし、診断確定には、細胞診、組織診が不可欠だ。

また、乳がんであることが確定した後は、治療方法を決めるために広がり診断、予後因子・予測因子の診断、全身状態と臓器機能診断を行う。

乳がんと診断され最初に受ける治療(初期治療)には、外科手術、放射線療法といった局所治療と、化学療法(抗がん剤治療)、ホルモン療法、抗HER2療法などによる全身治療がある。

最良の効果を達成するために、必要な治療法を選び、適切な順番で実施する。

初期治療後の経過観察中に再発と診断された場合の治療は、手術した乳房付近だけの再発(局所再発)か、遠隔臓器への転移があるかを区別して行う。

局所再発の場合、乳房温存術後と乳房切除術後、あるいは放射線療法を以前に実施した場合としなかった場合で対応は異なる。遠隔臓器への転移がある場合は、全身治療を中心に行う。

ドクター・病院選びのポイント

乳がん専門医がいる病院を選ぶことが大切。乳腺専門医のリストは日本乳癌学会のホームページに掲載されている。

再発した場合には、薬物療法、放射線療法、緩和ケア等幅広い対応が可能な病院を選ぽう。

また医師を選ぶ際には、患者個々人の希望や状況に応じた、個別化医療を行ってくれるかどうかも重視したい。

医師と治療情報の収集には『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』(日本乳癌学会編集)が役に立つ。

<引用文献>
「ドクターズガイド―治せる医師を本気で探す」